PCゲーム保全推進会議 第1回打ち合わせ会報告(速報版)


 きつねさま(どきどきへあばんらんど)から許可を頂きましたので、転載させていただきます。



 2008 年9月7日、新橋駅近くの港区生涯学習センターにおきまして、PCゲームの恒久的保全活動を推進することを目的として、「PCゲーム保全推進会議 第1回打ち合わせ会」が開催されました。ご参加いただきました11名の方、暑い中お疲れ様でした。ここに、そのときの模様を簡単ながらご報告致します。議事録はあとらのひと(裏方亭)にお願いし、本速報版はその記録を下敷きに書いています。多謝。



■開会(10:00〜10:05)
 事前にご参加希望をいただいた方10 名+当日飛び込みの方1 名が揃ったのが10:00 ちょっと前でした。数日前は雨になるかもと思っておりましたので、多少暑かったですが、よい天気になりました(夕方前は雷雨になりましたけど)。
 それぞれの自己紹介を簡単に済ませた後、事業内容・資金の問題・今回の提案に至る流れの説明を行いました。事前にアップした提案書については目を通していただいていることを前提に話しました。進行および要点を、以下に簡潔にまとめます。



■本提案の理由・内容・性格・これまでの流れ(10:05〜10:20)



1.提案理由および事業内容の概略
 提案理由=70 年代後半から90 年代中頃にかけて発売されたパソコンゲームにデータ消滅の危機が迫っているため、現物およびデータ保全を実施する。

要因?=現物自体の散逸 要因?=磁気データの脆弱性

事業内容=上記約1万タイトルにつき、タイトル確定および現物の収集保全ならびにデータ保全を実施する。



2.資金の問題
 本事業の実施を考えるとき、資金面で2点の問題が存在する。

?事業そのものが利潤を生む構造になっていない
→「データ保全事業に付随して関連事業を興す」or「収益性がないものと割り切って文化事業とする」
?現物保全を考えると間接費比率が高く、これを如何に押さえられるかが事業の採算に大きく関わる



3.今回の提案に至る流れ
 保有リストのリスト化→草の根BBS に展開する形で美少女ゲームリストを作成→Win95 プラットホームでツール化を行うが、ワンド氏の死去にともない活動停止→大石氏の問い合わせに答える形で活動再開




■活動資金の調達方法模索(10:20〜11:40)
 本日の主たる検討内容になる、活動資金をどこからひねり出すかのワークショップに入りました。ワークショップそのものはKJ 法を下敷きにした意見抽出・整理法で行いました。その過程は以下の通りです。


1.意見抽出(10:20〜10:40)
 付箋をたくさん用意して出席者にお配りし、その中に今回の事業を進めるにあたって資金提供をお願いする相手(法人でも個人でもなんでも可)を書いてもらいました。
 その際に、右下にその「効果」、左下に必要な「費用」(時間的手間も含む)を併記していただいています。これは、後に費用便益分析を行う予定にしていたため、アイデアを書いた方が、そのアイデア自体の価値をどのように考えているか、はっきりさせておくためです。だいたい20分程度で意見を出していただきました。


2.意見整理(10:40〜10:50)
 続いて、書いていただいた内容を整理するため、内容が似ているカテゴリーでまとめて模造紙に貼りつけていきました。大きく分けて「企業」「行政」「各種団体」「学会」「同人」「個人」のそれぞれにカテゴライズすることができました。ここで開始から1時間弱となりましたので、10 分程度の休憩に入りました


3.意見交換(11:00〜11:40)
 休憩を挟んで、カテゴリー毎に個別の意見を紹介しながら、出席者がそれぞれのカテゴリーで費用便益をどのように認識しているのか、その傾向を読み取ろうとしました。これは、次回の打ち合わせで取り上げるお題に、費用対効果が最も高いと考えられるカテゴリーを選びたかったからです。
 それぞれのカテゴリーを取り上げる中で、かなり突っ込んだ意見も出ましたし、参加者が既に行っている活動をベースにした意見も多く出されました。その詳細は書記をお願いしたあとらのひとに詳細に残していただいていますので、完全版を出す際に反映させたいと思います。
 最終的に次回は「研究者・学会とのコラボレーションを実現する具体的方策」を取り上げて議論することになりましたが、特に学会や企業に対するアプローチは費用対効果が高いと考えている人と低いと考えている人が両極端になりました。参加者に出していただいたアイデアを集計中ですので、報告書完全版まで今しばらくお待ちを。



■連想イメージアンケート調査(11:40〜11:50)
 配布資料を見ていただければ分かると思いますが、認知心理学の手法を用いたアンケートを行いました。今回は『同級生』というキーワードから思いつく言葉を2 分間で書けるだけ書いていただきました。
 結果、『同級生』というキーワードから想起された言葉の数は平均7.8 個で、想起確率が高い言葉は「下級生」「エルフ」の2 つ(想起確率約40%)、その後想起確率20%の言葉として「PC98」「クラスメイト」「竹井正樹」「フロッピー」「NANPA.EXE」・u65381 ・・といったものになっており、作品内のキャラクタやイベントに関する語はほとんど上がってこないことが分かりました。報告書完全版では連想構造解析を行います。


■次回予定(11:50〜12:00)
最後に、次回の内容および大まかな時期のアナウンスをして終了となりました。次回は10 月上旬から中旬辺りを予定しています。