憎まれっ子世に憚る

 という諺もあるように、善人は早くに旅立ってしまう。昔はこれをあまり信じていなかったが、悲しきかなここ後五、六年の間に現実味を帯びる事態となってしまった。最近エロゲーに深い関りを持ったクリエイターの早世が多いことが、その思い込みに一段と拍車をかけている。


一昨年6月の浦和雄氏(スケアクロウアボガドパワーズ代表・プログラマー)、
昨年6月の堀部秀郎氏(『臭作』、『鬼作』・原画)、
今年2月の岩崎考司氏(『あると』・『はっぴ〜ぶり〜でぃんぐ』・原画)。


芳名を記した方々は、色彩の違いこそあれ一様に情熱を傾けていらしたと思う。その途上の夭逝ということになれば・・・・・・ご遺族は言うまでもなく、関係者やユーザーもたださめざめと泣くほかない。会社間の競争が激化しそれぞれのブランドが切磋琢磨しあう状況は、業界にとってははからずともプラス要素なのだろう。しかしこれが個人の健康を害しているとしたら、それはそれでなんだか悲しくなりはしないか。ともかく故人の冥福を祈るばかりである。


 と同時に、一介のユーザーとしてクリエイター諸氏の健康無事を願ってやまない。