第十五回:凪

 本格的な夏もすぐそこまで迫ってきました。同時に北京五輪開催まであと1ヶ月という時分になりましたが、どうやらサウナ天気が例年にもまして多い様子。脱水症状にならないよう、外出時には、ペットボトル飲料の一本でも、鞄に忍ばせておきたいものです。
 しかし、当の中国では、かの天安門まで80キロの地点まで砂漠が迫っているといいます。我々が想像している以上に、この国は、自然環境という面においてアキレス腱を抱えているのかもしれませんね。関係者の無事息災を祈ります。



 さて、今回は少し透明感のある曲を紹介します。『もしも明日が晴れならば』より「凪」をチョイスさせていただきました。
 某店内で流れてた試聴が耳に残ってしまい、釣られるままにサントラを買ってしまったという、私にとっては曰くつきの作品。本編も個人的に高い評価を下してます(……批評空間のほうじゃ点数を入れ忘れてたかも)。一度ご試聴ください。


 作品の評はさて置き、詞とメロディから滲み出る儚さが実にいい。それは悲しみの感情か、魂の慟哭か、それとも淡い希望か。流れるような旋律から脳裏に浮かべてしまうのは……。




もしも明日が晴れならば 挿入歌 「凪」 Full.ニコニコ動画



凪
作詞・作曲・編曲:樋口秀樹 
歌:WHITE-LIPS


ああ行かないで 軋んだ心が痛い 
手のひらから零れる刻の砂よ


 
誰彼 宵の帳下ろして 月は満ちゆく
夢から覚めたように 絡んだ指が離れる

 
静かに響く声が これが最後と
白いブラウスが涙に濡れた

 

ああ行かないで 引き止めるその声に
君は優しく微笑んでる 
伝えたい 全てが消え去ってしまうその前に




こんなに想いだけが空回っても
届かない物にどんな価値があるの?

 

この世界の果てから果てまで満ちてる
条理と不条理の中で
僕ら全ては回り続ける
あらゆる物が 

 

分かっていた こんな時間がずっと続く物では無いって事は
幕が降りて人が去っていく いつもの日々へ
 

たった一つ願いが叶うならば
どうか幸せな旅立ちを
いつの日か僕がその扉を開く その時まで 


そしていつか遠い未来に
再び会う日まで