打線低調

ソフトバンク 6−6 ロッテ


 今日のソフトバンクの戦いを見る限り、パ・リーグこのまま終盤まで三強、あるいは西武を含めた四強といった様相になりそうな感じだ。今日の試合は、それを象徴づけているのではないか。


 1点差の9回、1死満塁から1点を取られて、その裏に出てきたロッテの守護神はもちろん小林雅英。流石に2点差は万事休すかと思われたが、代打のブキャナン先頭打者で出ると、続く松田が追い込まれながらも2塁打を放ち、代走の明石が俊足を飛ばして生還した。これで同点。その後、大村の打球は青野の好手に阻まれて1死三塁。ここで、急成長の本多が小林の2球目、151キロの直球を弾き返して瞬く間に同点に追いついた。さらに川崎もスライダーを弾き返してランエンドヒットの形になって1死1・3塁。打順は松中。


 おそらく、熱狂的なヤフードームの観客は9割方ソフトバンクの勝利を確信しただろう。しかし、ここからうまくいかないのが今年のソフトバンクの特徴だ。その象徴ともいえるのが松中の長い不調だ。打率.256(6/29)、得点圏打率.203(6/29)はもはや4番打者のそれではない。この打席でも力なく浅いフライに倒れてしまう。結局、後続の小久保も三ゴロに倒れて同点どまり。ここぞという時で勝ちにいけないパターンが、今年のソフトバンクにはよくある。10回も11回も得点圏にランナーを置いていながら得点できない。もどかしい。


 松中に限らないが、打者の不調が続けば続くほど、それは後々になって尾を引くだろう。それまでに、なんとしても松中には復活して欲しいものである。投手陣が頑張っているので、今年はそれでもっているようなものだ。しかし、いつまで先発陣や抑えの馬原(防御率0.31)の好調が継続するかは分からない。実力がないわけではない。長打者がいれば巧打者ありと、むしろ理想的な布陣である。ただ、小久保、松中、多村、この3人の不調が如何せん目立ちすぎる。


 今日の試合、今シーズンでは珍しく4点差を追いつき、「幕張の防波堤」を越えた試合は勝ちに等しい。そして、前日の柴原の殊勲の一打。この混戦から抜け出すためにも、今後、打線の奮起に期待したいところだ。