『聖なるかな』 メモ4

 快調に10章まで攻略しました。先日も書いたとおり、序盤の難易度は一体なんだったのかというくらい簡単になりました。もうおわかりかと思いますが、この作品は非常に波があるゲームです。現時点で評価している点とそうでない点をメモ程度に残してみます。やはり少しネタバレします。



・連作で型崩れしてないこと

 近年の18禁ゲームの中でも大作というのは疑いようのない事実です。独自の世界観やシステムを構築し、それをアセリアから引き継いでいるという点は評価できます。そして、一連の作品が世界観を大きく壊すことなく推移しているのは大きい。話自体は飛躍しているのですが、前作とうまく絡んでいる気がします。
 また、ウザすぎる妹の佳織、あるいは佳織の引き立て役を引き受けた今日子、光陰、瞬らがいないのはグッド。よくある大団円シナリオなぶん、「ウザキャラ」が目立たないのは大きいですね。もっとも、その時点で退屈ゲー確定です。シナリオの評価はあまり高くないです。

 絵師さんが変わって、前より見やすくなりました。人丸さんには悪いですが、ザウスはやっぱりこの人だな。まさはるさんの絵を拝めてよかった。まあ、これは好みの問題によるところ大ですが。絵なんて飾りなのかも。



SLGパートにおける各ステージの難易度、自由度について

 前作アセリアは物語を進めることに主眼が置かれていましたから、殆どのSLGパートに自由度がなく、横幅のない戦略ゲームをさせられているようでフラストレーションが溜まりました。その分丁寧な仕上がりになっていたので、悩んだ挙句及第点を与えたつもりです。で、この『聖なるかな』なんですが、今回は結構横幅があって嬉しいです。各ステージの攻略方法はいくらでもある(序盤はそうでもないが)ので、どのユニットをどこそこに向かわせて…など、色々と考えをめぐらせる事が出来て大変よろしい。前作にはなかった自由度は体現できているようです。


 しかし、難易度に関しては疑問です。前のメモで書いたように、序盤のベルバルザードを倒すのは非常に難儀で、前のマップからスキルとレベルの構成を考える必要があるという体たらく。その場しのぎの急造ユニットで倒せるようなものではありませんでした。序盤の難易度については、最近のゲーム業界屈指と言えるかもしれません。逆に物語が進むとどんどん難易度が下がり作業化の様相を呈してきます。この傾向は、アセリアの後半部分を彷彿とさせますね。つまらなくはないんですけど、シナリオを読み進めることよりも戦闘をすることに間違いなくだれます。



・Hシーンまでの長さ

 この作品は一応エロゲーですが、エロゲーらしくないほどHシーンまで遠い。一昔前の下卑た言い方をすれば、いわゆる「ご褒美」マダー?ってやつです。それが10章に来て、やっと1つか2つくらいしか見る事が出来ないのですから、エロゲーとしての意識はあまりないかと思われます。30時間くらい費やしてこの程度ですから、価格に対するエロ対効果は非常に低い。

 つまりこの傾向のある作品は、コンシューマ化への移行が楽なんですね。邪推にしか過ぎませんが、コンシューマ化前提なのかと落胆してもなんら不思議ではありません。そのくらい「薄い」んです。



エロゲーとしては

 エロゲーとしては間違いなく筆頭株です。実に物語が工夫されているし、その世界観も独特のものをもっている。コンシューマにも引けをとらない思います。ただ、そのシステムを考えるとバランスの悪さは否めない。周回プレイに対する強度は強いとは言えません。アセリアでも多用した「エロゲーとしては」というフレーズは今回も通用するようです。エロゲーの枠で囲ってしまうと、この作品は随分過大評価されてしまう気がします。もっともな話、ここに拘りすぎるのも損なんですけどね。


以上ちょっとしたメモをば。リトバスと並行プレイしてるんですが、リトバスがなかなか進みません。こっちのレビューのほうが先に書けそうな予感。と言っても、まだ全然レビューに手をつけてませんが。


工画堂さんの「暁のアマネカと蒼い巨神」を予約してきました。まだ先の話ですね。


リトバスの感想落とす人の中に「点数操作がひどいので0点」って人がいるけど、いつも失笑&落胆してしまいます。私だけでしょうか。