東京都青少年問題協議会の発言に関して

『第28期東京都青少年問題協議会・議事録』

 ちょっと馬鹿馬鹿しいほど意味のない議事録ですが、ギャルゲー、ポルノ関係に触れる機会のある方なら一度は目を通しておいてもいいのではないかと思います。
 表題にあるとおり、児ポ法等に関連する東京都の議事録です。失礼ですが、どうやら東京都のお偉いさん方は目を瞑って会議なさっているようで。どうにかして規制をかけたいと思ってる方々の、その視野の狭さに呆れてしまうばかりです。
 さて、この議事録自体がそもそも発言の垂れ流しになっているので、まとめも何もない惨憺たる議事録となっています。下記サイトに要約等がまとめられていますので、そちらも参照のこと。



差別発言、暴言、虚言、妄言の超連発に思わず爆笑


『青少年が見なければ良いとか、漫画だから被害者はいないだろうという話ではない。大人が見る物であっても、それが元で犯罪を犯した人が沢山いる。アニメ文化やロリコン文化が性犯罪を絶対に助長している。自主規制に頼れないならば、規制する仕組みを作っていくべきだ。』


『他の先進国には子供の人権に配慮した規制がある。日本だけが法整備を進めないというのは凄く不思議。漫画家団体に対して説明や調査データを示す必要も無いくらい規制は当たり前の事だ。正論でガンと言ってやれば良い。』


これはPTA会長新谷珠恵氏の発言を上記サイトの管理人さんが要約したものですが、とてもトップの発言とは思えません。こういった極端な物の見方しかできてない、データより国対感情ありきと決め付けている点で、参加者として失格ではないでしょうか。



性同一性障害と同じく持って生まれた嗜好だという事で、子供に対する性暴力漫画を好む人達を放免とするのであれば、彼らは認知障害を起こしているという見方を主流化する必要があるのではないか。』

『酷い漫画の愛好者達はある障害を持っているという認識を主流化していく事は出来ないものか。』


 大葉ナナコ氏の発言はもっと行き過ぎている。なんでこう、「宥和的な政策ではダメ」という空気が流れてるんでしょう。聞けば聞くほど、こんなのは個々人、それもハナからオタクは真っ向から排除という姿勢を貫いてる人の馴れ合い会としか思えないんです。具体的なデータなしに、個人が思い思いの見解(それもかなり感情的な論)を述べてらっしゃるので、いまいち説得力に欠けます。



 規制をかけようとしてる側の人間というのは、どうも誰かにせっつかれてやっている気がしてならんのですが。
 とにもかくにも、私は彼らとは対極に位置する人間でして、この議論には真っ向から反対させていただきたいと思います。確かにエロゲーが趣味の一つですが、だからと言って、障害を起こしているというわけではありませんし、この趣味が元で誰かを不幸にした覚えはサラサラありません(趣味仲間に引き込んでしまった人は大勢いますが)。
 円より子氏らが『ジュベネイル・ガイド』から引用した

『このようなゲームに誘われた青少年の多くは知らず知らずのうちに心を破壊され、人間性を失っており、既に幼い少女が連れ去られ殺害される事件が起きている。』

という発言が正ならば、世の中犯罪者で溢れかえっていることでしょう。幼女レイプ被害者統計を閲する限りでは、こういった表現は多発していた1960〜70年代にこそ行われるべきではなかったのか。先の年代と比べて、割合的に減少してきた犯罪をさらに抑止するために、なぜ児ポ法改正案なるものが今になってこうも擁護されるのか、全く見当がつかないところであります。