SLGについて少し


 エロゲーマーというのは、SLGに限らず“遊べる”ゲームというものにあまり耐性をもっていない。とくにシステム評において、“エロゲーとしては”というのはよく目にする文句だが、少なからず違和感を覚えはしないだろうか。私はこの、エロゲー“と し て は”という妙な括り方が気に食わない。これは“コンシューマと比べると”(劣る)ということを暗に示唆し、あたかもエロゲーのレベルが低いような言い方をしている。誰が最初に言い出したのかは定かではないが憤りを覚える。たとえ事実だとしても、である。

 そもそも純粋にPCゲーそれも18禁ゲームが好きなユーザーは、その多くが“遊び”の部分に対する評価がコンシューマと比べるとこの上なく甘い。これはAVG過多の傾向にある現状において、なかなか“遊び”の経験を詰めないことが原因だ。また、毎年のように制作される“遊べる”ゲームというのは、だいたい作る会社がアリスソフトやらエウシュリーやらソフトハウスキャラやらに限定されている。前述のブランドは実績と意欲があるからいいものの、他のメーカーはせいぜい“AVGの荷物持ち”と考えている節も多々見受けられる。最近になってもAVGばかりが注目されSLGが比較的鈍化しているのは、“としては”こそその主犯格だと言えよう。

 AVGに拘るのも大いに結構だが、自らの視野を狭くするのは賢くない。それに、エロゲーの多様化を図る意味で色々なものを求めていくことは、エロゲー界隈にもたいへん有効に思える。ユーザーがエロゲーに求める幅を少しずつ増やしていくことで、ブランドもそれに応える必要が自ずと出てくる。コンシューマ市場と比べると遙かに見劣りしているのは火を見るより明らかだが、そろそろユーザーもブランドもSLGに革新を求めるべき時ではないだろうか。このまま純AVGの勢いが続くとは到底思えないし、そのうちAVG+αないしα+AVGも台頭してくる気がする。そのうち何らかの工夫が必要になると案じている。


 AVGSLGは当初犬猿の仲だと思っていた。そのセオリーを打ち崩した『うたわれるもの』は、やはり偉大なのだと心服せざるをえない。




 批評空間のほうでPOV登録しようとしたら、ワケもわからぬまま二重ログインとか言われました。原因不詳のため、管理人様にはメール送ったのですがどうしたものか。困りました・・・。