第七回:「その手が象る世界」

 久しぶりの更新。今回は第五回に引き続いて霜月はるかさんの曲からチョイスしてみました。夏コミでリリースされた「Lip Aura」から「その手が象る世界」。厭世観といい幻想感といい、この手の曲を歌わせたら、あの方の右に出る方もそうそういらっしゃらないでしょう。もちろん好き嫌いは別にして。アリプロやサンホラ(私は「サホラ」だと思ってます)が好きな方は是非。歌詞は以下。

「その手が象る世界」

作曲:霜月はるか 編曲:MANYO 編曲:日山尚 蒼色に染まる空と風の跡 絵に描かれた落日を塗り潰す筆に 何を求めて 僕たちは現実(ここ)に迷うのだろう 散りゆく花片に弄られた心は巡る 目指す場所もなく  ただ君の眼は隠れた月に背いたまま 偽りの虚空へと両腕を掲げる 不確かなものに紛れて 真実を謳う術もない それは悩みを棄てた 君だけが微笑む世界 金色が灯る湖(うみ)と雨の跡 絵に描かれた楽園を漕ぎ出す方舟(ふね)で 何を為すため 僕たちは現実(ここ)に戻るのだろう 滴る雫に探られ躯(からだ)は竦む 祈る場所もなく  ただ君の眼は凍てつく刻を留めたまま 偽りの時計から漏れる音に呑まれる 不確かな夢に侵され 真実が狂い続けても 深い眠りの底で 誰もが帰り着く Lip-Aura(はな) 指先に淀むのは 熱のない君の姿(まぼろし) 逆廻る景色に 幾重にも色を乗せよう… 限りなく ただ僕たちは己の影を演じるため 偽りの大地だち知りながらも目覚める 不確かなものに汚れて 真実を胸に抱けばいい これは言葉を棄てた 僕の手が象る世界