『はるのあしおと』レビュー

 長らくお待たせしました。久しぶりのエロゲーレビューです。時間のあるうちにという口上に託けているあたり、「むむ、今のままじゃいかんな…」と反省してますが、生暖かい目で見てやってください…。


 今回は、他に数十本ほど短文レビューを書きました。これらは本当に感想の域を出ていませんが、プレイしたまま放置しておくのもなんだか申し訳なかったので、、、。詳しくはエロゲー批評空間内のAtoraのページをご覧ください。『はるのあしおと』に関するレビューだけは、拙筆ですが長文化しました。こちらからどうぞ。




 『はるのあしおと』のレビューに関しては、ブログでは感想以外について軽く触れたいと思います。

 いやー、今回のレビューは本当に難産でした。書こうと思ったのはいいのですが、いざリプレイしてみると、思いのほか似た感想を持った方が多いことに気づかされました。なので、どうやったら自分の言葉でこの物語の良さを伝えられるか、ということに腐心したつもりでおります。しかも、私の短からぬエロゲー歴の中で唯一の満点を与えているわけですから、べた褒めするばかりってのもアレだなあと感じておりました。

 私がこのレビューで一番悩んだのは、満点のゲームに対して、いかに批判を取り混ぜて書くかということでしたね。なんだろう……、完全無欠のゲームってそう多くないはずなんですよ。今作でも「ロリだからダメ」という意見は多かろうと思いますし、「主人公の樹がゆづきルートで変態だからダメ」という理由も、なるほど確かにそういった意見もあるんじゃないかなーと。でも、私の場合……なんですが、樹のような挫折を経験すると、どうしても他人事だとは思えなくなるんです。不思議ですね。

 レビューでも触れておりますが、確かに改善できる点がないとは言えません。けど、それを補ってなお余りあるプラス要素が、私を完全に満足させてくれました。それが、樹という人間に対する共感だったり、同調だったり、……そういった類の言葉でまとめられるわけです。

 私の中では、5年前から、「この作品だけは満点をつけることができる」と信じて疑いませんでした。5年前にプレイした時と、いま現在プレイしている時とでは、私の立ち位置というのは全く違いますし、情けないことに今のほうが社会的にも心理的にも沈んでいます。

 しかし、いずれにせよ、この作品は100点です。5年前はシステムに惹かれて満点をつけた節が強かった。しかし、いま現在の感触としては、やはり樹に同調できると言う心理があればこそ、満点をつけることを厭いません。5年後の評価がどうなるか、これも興味が尽きないところですが、さて……。

 私以外にも高い得点をつけているレビュアーさんが数多く見受けられますが、minoriが「心の成長物語」と銘打っているだけあって、それを肌で感じ取ったプレイヤーが多かったのではないかと、愚考する次第です。簡単ではありますが、個人的なお話は以上になります。

 読了ありがとうございます。