聖地探訪−横浜編−

 3連休をゲーセン(クイズマジックアカデミーQMA、熊とも。)だけに使うのもなんだ、というわけで、聖地探訪に行ってきました。『うみねこのなく頃に』の背景ネタだけは随分前から掴んでいたので、近場で撮れそうな聖地を探しつつ、行程をボリュームアップ。ようやく目処が立った段階で、きつねさまに連絡を入れ、同行を要請するとすぐに快諾をいただけました。結果的に、忙しい中連れまわしてしまい、たいへん申し訳なかったです。


 さて、今回の探訪では横浜周辺をくまなく散策したということで、写真の枚数も非常に多く、聖地探訪の規模としては稀に見る長時間にわたる撮影でした。


 きつねさまとは石川町駅に11時に集合というプランだったので、私が単独で撮影してきたところから、順を追って見てみましょう。




 前日の興奮冷めやらぬ朝7時前。私が降り立ったのは桜木町駅でございます。自宅から1時間半ほどかかりますので、前日は殆ど徹夜状態でした。背景撮影はこの駅舎から。人もまばらなこの時間だからこそ、ナマの写真が撮れるというものです。

 どん!!!・・・・・・えーと、こちら桜木町駅舎です。なんの変哲もない普通の駅ですが、この画像でピンときた方は素晴らしい。Purple softwareさんの『明日の君と逢うために』から、沖原町駅の景観です。駅舎自体はこれで間違いないのですが、後ろのビルは明らかに原作と違います。コレとどこかの背景を合成したものでしょう。





 桜木町駅はこれだけではありません。ちょうど後ろを振り向くと、


という背景が目に入ります。もう少し原作に近い感じにしてみましょう。


あまり印象に残っていない(失礼)のですが、みなとそふとさんの『君が主で執事が俺で』から、七浜の建物です。残念ながら、左の建物は建て替えられてしまったようです。
 ここを撮影終了後、1キロほどてくてく歩いて赤レンガ倉庫へ向かいます。朝ジョグにはもってこいのコースのようで、多くのランナーとすれ違いました。が、所々でゴミが散乱していたり堆く積もっていたりと、お世辞にも綺麗に整備されている街とは言いがたいですね。そうこうしているうちに到着。


 こちらも『きみある』ネタとなっています。海岸沿いなので、海風が心地よかったですね。ちょっとアングルが変ですが、当日、何かのイベントの資材がどっさり置かれていたので、どうにもうまく撮れませんでした。ここらで8時くらいになりましたが、次の撮影予定地が開館前だったこともあり、個人的な観光をすることに。港周辺を散策したのですが、たいした写真は撮れていないので割愛します。
 8時半過ぎに桜木町駅へ舞い戻り、今度は逆方向へと進みます。紅葉坂を登り、やってきたのは神奈川県立音楽堂。時間を調整したつもりだったんですが、それでも早く着きすぎてしまい、少し待つことにしました。当日は演奏会が開催されたようで、9時前からポツポツ楽器が搬入されていました。


 開館後すぐは人が全くいないだろうと予測して、予定に組み込んだ甲斐がありました。こちらはClochetteさんの『スズノネセブン!』から、スズノネ魔法学園図書室です。どうやら本棚は後から付け加えたようですね。柱の本数も少し減っています。原作ではHシーンもありますが、こうやって実際に訪れてみると不自然な感を受けてしまうのが不思議です。
 これで桜木町の聖地はあらかた撮り終えたので、横浜に移動して、ゲーセンで時間を潰しました。QMAプレイヤーの嗜みです(笑)







 11時すこし前。少し電車のタイミングがあわなくて、きつねさまを待たせてしまいましたが、無事石川町で合流。今日のメインである『うみねこのなく頃に』の背景ポイントへ向かいます。
 石川町は山手と隣接しているだけあって、急な傾斜に小怪が張り巡らされている感じ。ちょっとした鬼ごっこが出来そうです。実は、坂を上る道を誤って順路の真ん中に出てしまいました。その時、小道から山手本通りに出た写真がこれ。


 偶然にも久遠寺家の周辺に出たようです。高級住宅街は伊達じゃないですね。いちいち家がすごいです。ともかく順路を逆行して、外交官の家へと向かいます。

 ………の前に、ちょっとこの名勝の紹介をしておきましょう。
 外交官の家は別名旧内田邸とも呼ばれ、明治43年に渋谷は南平台に建てられました。設計者はガーディナー、建築主は内田定槌で、後者はニューヨーク総領事やトルコ特命全権大使などを歴任した外交官です。この建物は定槌の死後も利用され、震災や戦災を経て奇跡的に焼け残ります。その後平成に入ってから、横浜市が中心となって解体移築工事が行われ、その際に渋谷から移築したものが、現在山手の丘に建っている建物というわけです。
 本来、洋館の隣に和館を備えつけていたらしいのですが、これは消失しています。アメリカン・ヴィクトリアン様式の影響を強く残す洋館として名高く、平成9年には国の重要文化財に指定されました。

……豆知識はコレくらいにして、道沿いに歩くと、メルヘンチックな洋館が姿を現します。
 今(2010/12/24)に気づいたんですが、これ「ひなたぼっこ」の背景ですね。気づくの遅いな、自分。


 いよいよ現場に到着です。

 まず最初に裏庭へ。


絵描きさんが沢山いらっしゃってました。こちらは『きみある』から、久遠寺家庭園の一枚です。どことなく、旧古河庭園の雰囲気と似ていますね。理路整然としていて、様式美を感じます。続いて屋内へ。



 ここは写真の数が多すぎるので、だーっと並べることにしました。全て07th Expansionさんの『うみねこのなく頃に』の背景として用いられました。敢えて原作の画像は載せません。やたら同じ背景で遠近が違うものや、反転させているものが多かったんで、アングルに苦労しました。ではどうぞ。


 どうやら反転のようです。


おしゃれですね〜。


原作のどこで使われたのかは覚えていません。


 こんな形の電燈ありましたありました!!で、この形をどうやって作るのかと思ってたら、ガラスが固まる前に金型に押し込むだけだったんですね。なんとも簡単なやり方で…。


サンルームらしいです。お金持ちならではのお部屋なのでしょうか。


2階へ向かいます。


階段一つとってもこの威容。恐れ入ります。


本は実際に保持していた蔵書のようです。昔の料理大全とかが並んでいました。


原作では、ちゃっかり案内板をどけている竜騎士07氏。


ベッドルーム。ベッドの下の床に丸い傷が残っており、実際に使った跡を伺わせます。


このイスはずっと置いたままのようです。これだけで絵になりますね…。


紅茶を飲みたくなります。



 やたら分量が多くなってしまいました。こうしてみると、サンルーム横の窓などを取り損なっていますね(汗



 さて、聖地とは関係ないんですが、外交官の家至近にも別の洋館が建っています。ブラフ18番館といいます。大正時代末期の建物で、横浜家具の当時の姿が再現されています。ちょっと寄り道してきたので、写真をどうぞ。



 この2箇所で2時間ほどかかってしまいました。日が沈むと問題なので、急ぎベーリックホールに移動します。

 ベーリックホールは、その名の通りイギリス人の貿易商ベリック氏の邸宅で、昭和5年に造営されました。設計者はモーガンで、廃墟マニアにとって著名な根岸競馬場の設計で知られています。この建物は、戦前まで住宅として使用されていました。その後、平成12年までセント・ジョセフ・インターナショナル・スクールの寄宿舎として利用され、平成14年から一般に公開されています。
 外交官の家とはまた違い、こちらはスパニッシュを基軸にしています。それに加え、イスラーム様式の小窓や3連アーチといった、多くの建築技術を取り入れており、外観も内装もかなり小洒落た邸宅です。



 10分ほど歩いて到着。こちらの外観は『きみある』の背景に用いられました。久遠寺邸ですね。豪奢な感じがします。



 内装もごらんの通り。こちらも『きみある』の背景として使用されました。原作では、床は普通の木目に差し替えられています。ここは、順路どおりにいくと『きみある』と『うみねこ』の背景が混じってしまうので、先に『きみある』から見ていきましょう。




続いて『うみねこ』です。大急ぎで撮ったので、かなり原作とはずれています(汗)


 トイレかなー、と思ったんですがこれは原作とは違うようです。あるいは反転しているのかも。


原作では反転しています。


これも反転です…。竜騎士07氏は反転をよく用います。


2階の一室。ナナメってしまいました。


カーテンの位置から、反転画像だと判明しました。


1階のホール。当日は音楽が奏でられていました。いい雰囲気です。



 後から気づいたんですが、ここでも撮り逃しが一枚ありました…。同じ部屋が多すぎてしかも反転画像も多いので、どれがどれか混乱してしまいました。
 そうこうしているうちに3時を過ぎてしまったので、急ぎ中華街へ移動することに…………っと、ベーリックホールを出てすぐのところに、『きみある』の七浜学園の門扉がありました。危うく行き過ぎるところでした。


 幸い休日だったので、学生の姿はなし。原作に存在する建物は実際にはありません。探せばすぐ見つかりそうなものですが、あいにく時間がおしていたのでここまで。
ちなみにこの門は先のベーリックホールや桜木町駅と併せて、Lassさんの『〜11eyes-罪と罰と購いの少女〜』に使われている(情報提供:ユダ様)らしいのですが、あいにく管理人が原作をプレイしておりません。なので、実際にプレイなさった方は、きっとお分かりになるのではないかと思います。
 さて、額坂を下ろうとしていた矢先に、こんな建物が。


 ムーンドリアの廃墟(『イース』シリーズに登場)かと思いました。こちらは山手80番館廃墟。関東大震災で崩れてしまい、現存しているのは、半地下構造の地下部分だけという状態です。外国人居留地の往時を知る数少ない手がかりです。
 そうやって額坂を下って、ようやく元町公園に到着。元町・中華街駅にてきつねさまとお別れしました。お疲れ様でしたー。



 今度はソロで移動開始です。足がほとんど棒状態のまま港の見える丘公園に到着。海側を探しますと・・・・・・あったー!ありましたー!!




 こちらは『きみある』の公園ですね。ちょっと暮れかかっていたので、モニュメント(?)の輪郭がはっきりしませんが、そこはご勘弁くださいまし。今度は公園内部へ足を運ぶと……。




 こちらfengさんの『青空の見える丘』から公園の背景です。それにしても、タイトルのネーミングセンスが安易ですね…。撮影後、山下公園へ移動しました。足が痛い。




 こちらは戯画さんの『さかあがりハリケーン』から公園背景……だと思います。原作と比較した感じでは、たぶん合成という結論になりました。ここも後日、何かのイベントがあるようで、ベンチがどけられていたり資材が積まれていたりしました。なので、イメージだけしかお伝えできません。
 で、ここでも私一枚撮り逃してちゃってます。『きみある』の七浜公園の背景が抜けてしまいました。船を左側から撮影するアングルがあったんですが……申し訳ないです。




気を取り直して、中華街へ移動します。ちょっと迷ってしまいましたが、無事撮影できました。




 こちらは『明日の君と逢うために』から、中華料理屋さん月花の背景です。京華楼には別館がありますので、くれぐれも訪問の際には注意してください。





 最後に元町へ移動。『明日の君と逢うために』からメインストリートで〆させていただきます。





 目印は右側のキュートな看板。左側の建物も特徴的なので、実際行ってみてすぐ分かりました。人が多いのは夕方過ぎだったためです。
 ここはKeyさんの『Kanon』でも利用されたのですが、当日資料を持ってきていなかったので、あいにくうまく撮影できませんでした。





 記憶を頼りに一枚だけシャッターを切ったのですが、これが惜しかった。逆側から撮らないとダメだったんですね。




これにて撮影は終了です。気づけば、日もとっぷり暮れていました。




 この後、『スズノネセブン!』の背景をもう一枚撮ろうとして田園調布に向かったのはいいんですが、案の定疲労から寝過ごしてしまいました。帰る方向と同じだったんで、ついでにと思ってたんですが無念。ま、完全に日が落ちてましたし、現地に行ってもいい写真は取れなかったかもしれません。



 今回の聖地探訪は、近場の割に撮った枚数が異様に多く、作品も多岐に渡ってしまいました。見づらい部分も多いかと存じますが、楽しんでいただけたら何よりです。



 今回のタイムテーブルは以下の通りです。ゲーセンや待ち時間等を含めますと、だいたい3時間ほど余分な時間がありますね。

場所 到着時刻 出発時刻 移動手段
桜木町 7:00 7:20 徒歩
赤レンガ倉庫 7:40 7:50 徒歩
時間潰し 徒歩
神奈川県立音楽堂 8:40 9:05 徒歩
桜木町 9:15 同左 京浜東北線
横浜 9:20 同左 徒歩
ゲーセン 9:30 10:50
横浜 10:55 同左 京浜東北線
石川町 11:05 同左 徒歩
外交官の家 11:20 13:00 徒歩
ブラフ18番館 13:05 13:30 徒歩
ベーリックホール 13:45 14:45 徒歩
山下町 15:20 同左 徒歩
港の見える丘公園 15:35 15:45 徒歩
山下公園 16:00 16:30 徒歩
横浜中華街 16:50 17:15 徒歩
元町通り 17:30 17:50 徒歩

 長くなってしまいましたが、いい聖地探訪ができました。読了ありがとうございました。